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本を読む 7冊目

入門 犯罪心理学

原田 隆之


入門 犯罪心理学 (ちくま新書)

 

はじめに

メディアやワイドショーでは犯罪に対する根拠もない無責任な解釈を流す。例えば神戸市で起きた事件では「容疑者が診察券を袋に入れたのは、被害女児とつながっていると感じたいからだ」などのような思い付きのコメントをした。人間は複雑であり単純な答えを求めてはいけない。

 

1章 事件

池田小学校事件と秋葉原無差別殺傷事件の共通点と異質性。単に大量殺人者とはひとくくりにはできず、それぞれの人間性や複雑な背景を検討して初めて真相に迫ることができる。

 

秋葉原事件ではメディアは格差社会の問題、ネット空間がもたらした問題と簡単な部分のみ取り上げて事件を説明しようとしているがそんな単純な話じゃないよという説明。情報を見聞きする際は視聴者も気を付けなきゃいけませんね。

 

2章 わが国における犯罪の現状

刑法犯の中でもっとも多いのは窃盗

窃盗癖、クレプトマニア→法的な取り締まりでは不十分であり。治療しなければならない。

特別法犯は道路交通法違反についで覚醒剤などの薬事違反

日本は殺人件数は減少傾向で世界で見ても少ない。

累犯障害者→社会じゃやっていけないから刑務所で過ごしてしまう。

 

・窃盗癖になってしまうと大変。6冊目の脳内麻薬に通ずるものがありますね。

少子高齢化のせいで殺人できるような人が少ないのもありそう。

 

第3章 犯罪心理学の進展

犯罪理論などの歴史

遺伝的要因と環境要因が複雑に作用することで犯罪に繋がる。単にしつけだけとかではない。

刑事の勘のようなのはあてにならない

 

・知識的なもの

 

第4章 新しい犯罪心理学

バカじゃないの殺人→居酒屋で友達にバカじゃないのと大声でいったら、近くにいた犯人が自分のことだと思い殺害。→認知のゆがみ

犯罪に関連のある危険因子ではないもの→低い社会階層、精神的苦悩、精神障害、知能などは犯罪と関連があると思われてきたが否定された。

危険因子の紹介。

子供の頃に虐待を受けると非行や犯罪の原因になるというのは偏見。

 

・正直知能とか関係ありそうだけ無いんですね。まあ何をもって知能とするのかは難しそうですが。

あと虐待の話はよく聞くのですがどうやら関係はないようです。

 

第5章 犯罪者のアセスメントと治療

木に実を書かせるようなテストの結果は検査者の主観であり刑事の勘同様、全くあてにならない。専門家判断の再犯予想正解率は55%であてずっぽうの5割と変わらない。

スタティック99という再犯リスク診断ツールでは76%。

犯罪者の治療効果

  1. 処罰は犯罪リスクを抑制しない
  2. 治療は確実に再犯率を低下させる
  3. 治療の種類によって効果が異なる

 

・昔サイコパス診断とかで絵書かせるのありましたねえ。これを読む前は処罰は犯罪リスクを抑制しないのが意外でしたが、ゆがんだ認知を考えるとなんとなく納得。

 

第6章 犯罪者治療の実際

リラプスプリベンション→再犯予防

治療効果

 

・簡単に言うと治療するとそれなりに効果あるんだって

 

第7章 エビデンスに基づいた犯罪対策

誤った犯罪対策の危険→警察白書に取り締まり強化により飲酒運転の事故が減った→運転免許保有者、酒類販売の減少も原因では?

これまでの対策を謙虚に見直し、科学的根拠、エビデンスに基づいた意思決定、政策決定をしていく必要がある。

 

・何においてもそうですね。根拠というのは必要。

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